【血液型検査】なぜ赤ちゃんの血液型を教えてもらえないのか

出産後、入院中に看護師さんから

「赤ちゃんの血液型はA型でしたよ」

と教えていただきました。

 

病院に赤ちゃんを見に来た姉に、その話をしたところ、

「うちの子は教えてもらえなかった。」

と言っていました。

 

輸血が必要な時は、必ず血液検査をするので、親が我が子の血液型を把握しておく必要はないのですが、やっぱり気になってしまいますよね。

 

今日は「血液型」についてのお話です。

血液型とは

血液型は、赤血球の膜表面にある「抗原」の種類によって決定されます。

 

A抗原を持つ血液がA型

B抗原を持つ血液がB型

A抗原とB抗原を持つ血液がAB型

どちらも持たない血液がO型

 

異質な「抗原」が体内に入ると、身体は「抗体」を産生して血球を凝集したり、破壊したりします。

 

O型は「抗原」を持たないため、(Rh-など特殊な例を除き)どの血液型にも輸血できると考えられていましたが、「異型輸血」であることに変わりはないため、緊急事態でないかぎり基本的には用いられません。

 

赤血球に反応する血清の抗体

血清には、赤血球と反応して血球を凝集させる「抗体(凝集素)」があります。

 

A型の血液には「抗B抗体(抗B凝集素)」がある

B型の血液には「抗A抗体(抗A凝集素)」がある

O型の血液には両方ある

AB型の血液には両方ない

 

AB型は「抗A抗体」「抗B抗体」両方を持っていないため、どの血液型からも輸血できると考えられていましたが、現在は「同型輸血」を基本としているため用いられません。

ABO式血液型の検査方法

ABO血液型は

赤血球の検査(おもて検査)

血清の検査(うら検査)

の両方を行い判定します。

 

おもて検査

おもて検査は、赤血球中の「抗原」を調べます。

赤血球を「抗A血清」「抗B血清」の試薬に混ぜて凝集するか観察して判定します。

  • 「抗A血清」のみ凝集すればA型
  • 「抗B血清」のみ凝集すればB型
  • 「抗A血清」、「抗B血清」どちらも凝集すればAB型
  • 「抗A血清」、「抗B血清」どちらも凝集しなければO型

 

 

うら検査

うら検査は、血清中の「抗体」を調べます。

血清を「抗A血球」「抗B血球」の試薬に混ぜて凝集するか観察して判定します。

  • 「抗B血球」のみ凝集すればA型
  • 「抗A血球」のみ凝集すればB型
  • 「抗A血球」、「抗B血球」どちらも凝集しなければAB型
  • 「抗A血球」、「抗B血球」どちらも凝集すればO型

 

 

日本人のABO式血液型の割合

A型…40%

B型…20%

AB型…10%

O型…30%

Rh式血液型の検査方法

Rh式血液型には、「C・c・D・E・e」などの因子(抗原)がありますが、輸血の際に影響を与える「D因子(抗原)」が赤血球の膜にあるかどうかで分けられます。

 

検査は、赤血球を「抗D血清」の試薬に混ぜて凝集するか観察して判定します。

「抗D血清」を混ぜて凝集すれば、Rh陽性(Rh+)

「抗D血清」を混ぜて凝集しなければ、Rh陰性(Rh-)

 

「Rh陰性」の日本人は、人口の約0.5%(200人に1人)の割合で存在します。

そのうち10%がAB型なので、AB型でRh-の人は、およそ2000人に1人です。

 

赤十字血液センターでは、血液を安定的に確保するため「献血登録制」を導入しています。

「献血経験」や「献血登録」していることで輸血時の優先的な取り扱いは無いようですが、困っている人の助けになったり、自分が助けられる場合もあるかもしれません。

Rh-の血液は特に貴重なため、登録しておくと良いかもしれません。

赤ちゃんの血液型を教えてもらえないのはどうして?

血液型の検査は、上に書いたとおり、赤血球中の「抗原」を調べる「おもて検査」と、血清中の「抗体」を調べる「うら検査」があります。

 

しかし新生児においては、母親から移行した抗体があったり、血清中の抗体の産生が不十分であったりするため、正しい判定ができずに、大きくなってから再検査をした時に、異なる結果が出る場合があります。

 

そのため、最近では出生時に血液型を教えない病院が増えているのだそうです。

赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドライン(改訂 1 版)

新生児においては母親由来の移行抗体があることや、生後4カ月以内の乳児においては、血清中の抗Aおよび抗Bの産生が不十分であることから、必ずしもウラ検査を実施しなくてもよい。

日本輸血・細胞治療学会

何歳になったら調べられる?

赤血球膜上の「抗原」の強さが成人並みになるのが「2~4歳」

血清中の「抗体」が産生されるのが「生後1年」

 

正確な血液型の判定は、生後1年以上経過してから、できれば4歳以上で行うのが良いようです。

赤血球側の反応は、赤血球膜上のA抗原、B抗原の強さに関係しています。 新生児では成人の1/3程度で、2~4歳になって成人並みになるといわれています。

一方、血清側の反応は血清中の抗A抗体と抗B抗体の量に関係しています。抗体を産生し始めるのは生後3~6ヵ月からで生後1年でほぼ全ての児に抗体が産生されるといわれています。新生児はふつう抗体が検出されず、母親由来の抗体が反応していて、ウラ試験が正しく行えません。

また、1歳未満の乳幼児のABO血液型検査において、オモテ試験とウラ試験の一致率は約50%といわれています。

そこで、新生児や1歳未満の乳幼児におけるABO血液型の検査結果は、オモテ試験の結果のみの条件付き報告がなされます。

これらの事由により、1歳未満では信頼性に乏しいため、正確な血液型の判定は生後1年以上経過してから、できれば4歳以上で実施する必要があります。

〔参考〕日本臨床衛生検査技師会 輸血検査の実際 改訂第3版

引用元:CRCグループ

血液型はどうやって調べるの?

血液型を調べるには、内科や小児科などの病院で検査することができますが、病気でもないのに子供の細い血管に太い採血針をさすのは可哀想なので、病気やアレルギーの検査のついでに調べることをオススメします。

 

また16歳以上になると、男女とも200mlの献血ができるようになるので、その時に調べてもらうと費用はかかりません。

 

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献血カード

 

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裏面に血液型が印字されます。

私は「O型」の「Rh+」なので、「O+」と印字されています。

 

会社で受けた「健康診断」の結果には、血液型の記載はありませんでした。

夫が受けた「人間ドック」の結果にも記載がなかったので、必要が無ければ検査はされないようですね。

 

「妊婦健診」では、血液型不適合妊娠など胎児に危険が伴う場合もあるので、血液型は詳しく調べられます。

 

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ABO式血液型 0型

Rh式血液型(D因子)(+)

不規則性抗体同定(-)

 

血液型が分からなくて困ることはある?

輸血などを行う時は、必ず血液型検査を行うため、血液型が分からなくても困ることはありません。

 

あえて血液型を知らないことのデメリットを挙げるとすれば、

子供または自分の血液型が気になってモヤモヤする

血液型の話題になった時、疎外感を感じる

くらいでしょうか(笑)

 

血液型を知らないメリットとしては、

血液型で自分(または子供)の性格に偏見を持たれることがない

 

例)「B型は自分勝手な人が多い」、「AB型は変わり者が多い」など

 

血液型で勝手に人の性格を決めつける人、ウザいですねー。

私は「O型だから大雑把なんだね」と言われたことがあります。

日本人の30%が大雑把ということになります(-ω-)

 

会社の採用試験で血液型を聞かれることもあるようですね。(それってどうなんだろ・・・)

まとめ

赤ちゃんの血液型を知らされないのは、一歳未満では正確な判定ができないため

正確な血液型を知りたければ4歳以降に検査する

病気やアレルギーの検査でついでに調べるのがオススメ

血液型が分からなくても困ることはない

 

以上、赤ちゃんの血液型にまつわるお話でした。

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